2009年5月5日火曜日

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界



21世紀の人類の未来はどうなるのかという難問を、未来に「歴史」の法則をあててみて解明しようとしている刺激に富んだ力作である。著者は、現状を市場の力が世界をコントロールする状況とみなし、ジェノバ⇒アントワープ⇒ロンドン⇒ニューヨーク⇒ロサンゼルスへと市場の「中心都市」が西へ移動しながら発展させてきたと説明。日本は東京を中心にその西への移動の終着点になる可能性があったにもかかわらず、その機会を失っているような気がしてならない。

その過程を、人類は農耕によって手に入れた定住型からノマド(遊牧)型への移り変わって行った歴史と重ねている。

さらに、現代の我々は、最先端情報機器を駆使して世界中のデータとマネーを動かす超ノマド(遊牧民)として世界を回遊するレベルに到達しているとみている。

その先に予言しているのは、市場原理に徹底的にコントロールされる状況と多極化された利害が暴力が蔓延した状態である。

ここから人類を救うことになるのは、世界政府を実現するような共同体価値観をめざす「超民主主義」の出現だとアタリ氏は主張する。

本書のいたるところで、現在の緊急危機とそれに直面しながら解決策を見出せない劇場型の政治状況を見事に予言しながら、これに対する多くの処方をリストアップしている傑作である。

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