2009年2月8日日曜日
〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻
この本は、どの立場からも読まれるべき本である。集英社少年ジャンプに連載されていたが、右翼の圧力に屈した情けない出版社(社長が殺された後の右傾化した中央公論も同様、情けない)として集英社はその名を歴史に残した。
この本は、単なる原爆の話ではない。
より広く戦中戦後の人々の生活を捉えたものだ。
この本でなければまず知ることのできない言葉がいくつも出てくる。戦災孤児、浮浪児、傷痍軍人、ABCCなど。
特にABCCは酷い機関なのだが、最早これに関する本は皆無である。
もう一点は、人間という存在の中にある美点と醜い点を浮き彫りにしていることである。
特に、差別に関する記述は特別によくできた筋立てでかかれており、その本質を知ることができる。
小学生後半に読み始めるといいと思う。
そしてこの本はその後も読み返すことになる。
気持ち悪い、残酷というが、原爆が落ちたとき、幼少の子供達はそれを目の当たりにしたのであり、それを本書で追体験することにも意味がある。登場人物の年齢層も広がっており、よって読み返し荷も耐えうるのである。
末永く読み継がれるべき不朽の名作であり、日本で起きたことが何であったのかを知るために欠かせない本である。
体験・経験は事実を教えてくれるが、真実は、追体験と想像力によってしか見つけることはできない。
30万に上る犠牲者の前に、この言葉を背負う義務があると思う。
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